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【実施報告】赤ちゃん研究からみる 脳の発達の不思議

 6月1日、慶應義塾大学文学部心理学専攻の皆川泰代先生を本校にお招きし、「赤ちゃん研究からみる 脳の発達の不思議」の講演会を開催しました。学内外の小学生から大人まで、合計13名の参加者が集まりました。

○×クイズの予想を立て、講演を聴きました
脳の血流を調べて声への反応を調べる
ファシリテーターの先生にも質問しました

 皆川先生の講演は、新生児-3ヶ月児の赤ちゃんの能力についての、○×クイズからはじまりました。「サルの個体識別ができる」「母国語とすべての言語を聞き分けることができる」といったことは、新生児-3ヶ月の赤ちゃんには可能なのでしょうか。参加者たちは、赤ちゃんにこれらの能力が備わっているかどうかについて、グループで相談しあいながら予想をたてました。

 その後、それらの問いを解明するために、研究者たちは実際にどのようなチャレンジをしたのかを、実験の様子のビデオ上映を交えて紹介していただきました。質問コーナーでは、「意識は、何歳くらいから生じるのか」といった疑問や、「脳の血流を見る実験はどういう原理なのか、何が分かるのか」といった実験手法への興味まで、多くの話題が共有されました。

 

 普段から研究に携わっている先生方に直接お話を聞かせていただけたことは、参加者たちにとって、大変貴重な経験でした。参加者たちは、想定外の意外な実験結果に驚きの気持ちを抱いたり、まだわかっていない謎の解明に挑戦しようという研究者たちの深い探究心に触れ、研究のワクワク感を追体験できていたようでした。


 参加者の本校生徒の感想の抜粋を紹介いたします。
 赤ちゃんの脳は、成長するとともに、発達していくものだと思っていたので、必要ない情報は無くなっていくと聞いて、びっくりしました。とても面白かったです!(高校生)

 赤ちゃんがさるの識別や母音・子音の区別ができることに驚きました。動物の赤ちゃんにも同じ能力があるのか調べてみたい!(中学生)


 本イベントは、国際ヒト脳マッピング学会のダイバーシティ・インクルーシビティ委員会の社会貢献事業として、未来の社会を担う子供たちに脳の研究について知ってもらう目的のもと、実施されました。講師の皆川先生、モデレーターの竹村先生(自然科学研究機構生理学研究所)、寺澤先生(慶應義塾大学)、大学生スタッフの玉田様に、この場を借りて御礼を申し上げます。