対談インタビュー② 開智日本橋学園一期生として伝えたいこと
左から鈴木、小山君、池田、安田さん
一期生としての大役を終え、これまでの6年間を振り返る
今回、対談するのは一期生として学校を創り上げてきた小山君と安田さん、学年主任の鈴木と進路指導部長の池田の4人。多くの時間を共にした先生方と、これまでの6年間を振り返ってもらいました。
池田:まずは率直に一期生として意識したことはあったのかな?
小山:まぁ少しだけですかね…。ただ、先輩がいないということが大きかったかもしれないです。僕の場合は新たに硬式テニス部を立ち上げるなど、とにかく1年生の時の負担が大きかったように思います。全部何も無い状態からはじめたので、テニスボールを集めたり、練習メニュー考えるところからのスタートでした。
鈴木:部活のノウハウがない中でどのように活動を進めていったの?
小山:まず初めにインターネットで練習メニューなどを調べたりしましたけど、ひとまずは色々やってみました。ただ、最初からうまくはできなかったので、たくさん失敗もありました。
鈴木:試行錯誤しながら徐々に形にしていったんだね。
安田:私が意識したのは5年生時にできた委員会活動です。美化委員会の委員長をやっていたのですが、初めは誰も言うこと聞いてくれなくて(笑)。でも一期生の仲間が協力してくれたので本当に有難かったです。一つの組織を動かすことの難しさも感じました。他の委員会もそうだと思いますが、委員会活動の1年目ということもあって、委員会ごとの活動内容が曖昧だったんです。それでも、開橋祭(文化祭)の時にゴミの分別を組織的に分担したりなど、上手くいったこともありました。
鈴木:美化委員会という組織の立ち上げに成功したということですね。
安田:できていたと思います。他の一期生のみんなも委員長として頑張っていました。
池田:小山君は生徒会会長もやっていたからね。生徒会として残したものは何かって言われたらなんて答えますか?
小山:これは二つあります。一つは校歌の制定と、二つ目は、学校の規則や様々なルールを定めたことです。この二つが大きな活動だったと思います。
鈴木:校歌はどのように作っていったの?
小山:開智日本橋学園として一から作るのか、もしくは開智本校から校歌をいただくかというところで話し合いがありました。その結果、本校からいただくことになるのですが、一部歌詞に地名が入っていたのです。それを在校生から案を貰うか、先生方に決めていただいた方が良いのでは、という議論もあったのですが、最後は先生と一緒に良い歌詞を選んで決めました。
行事を振り返って
池田:行事の中で印象に残っているものを挙げるとしたら、何が思い浮かびますか?
安田:5年の体育祭です!私は実行委員などではなかったのですが、実行委員の友達は組み分けを2色から4色に変えたり、新しい種目を作ったりと、とても楽しい体育祭を作ってくれていました。そういう思い切ったことができるのも開智日本橋学園ならではなのかなという風に感じています。
池田:ちなみに安田さんが所属した組は優勝できたのかな。
安田:ええと…。白組だったのは覚えています(笑)。
鈴木:小山君はどこが優勝したか覚えてる?
小山:優勝は紅組でしたよ。
池田:小山君は体育祭の挨拶で噛んでたよね(笑)。それは記憶にある?
小山:はい、頭が真っ白になりました。1番前にいた後輩がすごく笑っていたので、それが一番ショックでした(笑)。
鈴木:でも、この前の卒業式の答辞は良かったよね。堂々としていて、この6年間が思い返される内容だったと思うよ。
安田:私もそう思います。小山君の答辞で、”あ、私たち卒業したな”って実感が沸いてきました。周りの友達もたくさん泣いていましたよ。
池田:フィールドワークなんかはどうだった?色々な場所で探究活動をしてきたよね。
小山:僕は5年生の時に行ったイギリスフィールドワークが一番、印象に残っていますね。英語が話せないと何もできないのかなと思っていたのですが、グループには友達もいたので安心して活動ができました。
安田:私もフィールドワークはイギリスですね。特に探究発表の準備は大変でしたね。英語で原稿を準備したり、ポスターを用意したりと苦労しました。ただ、発表内容が現地の大学生に伝わっていたのが分かったので、とても嬉しくなりました。だからこそ、もっと英語を勉強したいなって思えるきっかけになりました。
鈴木:小山君はイギリスから帰ってきて、意識の変化などはあった?
小山:帰ってきてからはリスニングをすごく意識するようになりました。僕自身がリスニングに対して、少し苦手意識があったので、それを改善しようとするきっかけにはなったと思います。
池田:そういう意味では、5年生のイギリスフィールドワークは受験勉強に繋がっていたということなんだね。
受験を振り返って
鈴木:二人とも6年生になった時に、新型コロナウイルス感染症が様々な影響を与えていたと思うんだけれども、オンライン授業等はどうだったのかな?
安田:私はすごくオンライン授業が好きでした。身支度を整えたり、電車に乗る必要がなかったので、単純に勉強する時間が増えたなと感じました。休校期間中でも授業がちゃんとあったので、生活リズムが整えられました。授業以外の時間を有効に使えたのも良かったです。
小山:僕も安田さんと同じ考えですね。
池田:教えていた側としては、情報を生徒に入れるのはスムーズかなと思っていたんだけれでも、実際に問題を解いたり、模擬試験を行ったりするのは学校の方が良かった?
安田:家で問題を解いたり、それこそ模擬試験などは緊張感がなくリラックスして行っていた部分もあったと思います。
小山:インプットは家(オンライン授業)で、アウトプットは学校でやった方が良いなと思いますね。
池田:7月ぐらいからは登校も始まって、そういったこともできるようになってきたよね。改めて、受験勉強はどうだったかな。楽しかった(笑)?
小山:僕は正直、楽しかったです。いきなり準備するというよりは、徐々に準備をしていくタイプなので、受験勉強がきつかったとはそんなに感じませんでした。受験が終わった後でも、家に帰ると無意識に机に向かっていました(笑)。
鈴木:でもそれって悪いことじゃないよね。結局受験はゴールではなくて、これからもまだまだ勉強はしなくてはいけないからね。
池田:むしろその姿勢はこれから大学生生活で活きてくると思うよ。
安田:私も楽しかったとは思いますが、共通テストからの一ヶ月間は大変でした。これまでで一番勉強したと思います。
池田:いつから受験勉強を意識し始めたのかな?
安田:5年生の秋ですかね。ちょうど開橋祭が終わったあとです。学年全体でも受験勉強が始まったなという雰囲気でした。
鈴木:受験勉強で何か工夫したり、取り組んでみたことは何かあったりする?
小山:例えば、少しだけ大学の範囲が入っているような問題を理解するために、自分で見つけたサイトなんかを利用したりしていましたね。
安田:私は、自分の声で単語や用語をスマートフォンに録音して、通学時にずっと聞いたりしていましたね。自分の声なので、すっと頭に入って来る感じでした。
鈴木:素晴らしいね!私たちが伝えたことだけでなく、それぞれが工夫して努力しているよね。驚きました。
池田:そんな二人でも辛かった時期があったと思うんだけど、それを乗り越えるために工夫したことや励みになったことはあったりする?
小山:僕は、自分ができなったことを思い出していました。悪い方向に自分を持っていった方がやる気が出てくるタイプだったので。ここで諦めたら駄目だと自分に言い聞かせていました。
安田:私は模試の判定結果はあまり見ませんでした。悪い結果を見ると嫌になってしまうので。良くても悪くても気にしないようにしていました。ただ、できなかった問題をチェックして、あとで復習するように意識していました。
鈴木:放課後特別講座なんかは何か受験に役立っていたかな?
小山:そうですね。演習を家で取り組んで来てから学校で解説されるのではなくて、学校で演習に取り組めたのが一番大きかったと思います。緊張感をもって取り組めました。
池田:2~3時間近く放課後に実施しているからね。
小山:実際に学校で解いた直後に解説があるので、すごく記憶に残りましたし、何よりすぐ先生に聞けることが良かったです。
安田:こういった講座を学校で行って貰えるとすごく助かります。毎日、先生方もいるので論述や他の教科もたくさん見てもらえました。
後輩へのメッセージ
池田:それでは最後に後輩に向けて何かメッセージをお願いします。
小山:開橋祭、体育祭は積極的に応援団や委員会で関わると自由度が高いため、思い出深いものになります。フィールドワークも生徒が企画できる自由な部分があるので、是非参加してみてください。受験対策は充実してると思います。受験勉強を始めるにあたって、あまり気負いすぎないことが大切かなと思います。自分の人生がそれで全て決まるわけではないので。何か特別なことを始めるというよりは、継続して習慣づけることが重要だと考えます。何かしら習慣を身につけることによって、受験だけでなく、大学生から社会人になっても良い影響が出てくるはずです。
安田:行事、部活動、委員会活動などには積極的に取り組んでほしいですね。準備や運営は大変なことが多いかも知れませんが、その分達成感や自信が得られるし、学年をまたいだ交友関係も築けると思います。受験に関しては自分で勉強して努力することは当たり前として、友達や先生の力を上手く借りることが大切だと思っています。一人ですべてをやってしまおうとは考えず、色々な人を巻き込んだほうが精神的にも楽になるし、集団としてのレベルも上がると思います。是非、みんなでたくさん先生を利用してください(笑)!