校長挨拶
世界中の人々や文化を理解・尊敬し、平和で豊かな国際社会の実現に貢献できるリーダーの育成
開智日本橋学園中学・高等学校
校長 近藤 健志(こんどう けんじ)
「自分で考え、判断し、主体的に行動する」ーこれは開智日本橋学園の合言葉です。教員に指示・命令されて動くのではなく、次に何をしたいのか・すべきなのかを自分で判断して行動することを生徒たちはとても大切にしています。
現代の子供達は人工知能やロボットが浸透し、変化が激しく次に何が起こるのかを予測することが難しい社会に向き合っていかなければなりません。今の時代の学校教育の使命は、人工知能やロボットを使いこなしつつ主体的に問題解決することができる人財を育成することだと思います。しかしながら日本の教育は依然として教員が指示・命令して、それに生徒が従うという構造が中心となっており、言われたことをきちんとこなす能力、すなわち人工知能やロボットが得意とする分野を育てることが主眼となってしまっています。いくらロボットが得意とする分野を育てても、本家本元のロボットにかなうはずがありません。開智日本橋学園が一番の課題としているのは、ロボットや人工知能に負けない能力 ー 突発的な事態に対応できる柔軟な思考力や判断力、課題解決力、そして新しい技術を自ら創造・開発していくクリエイティブな発想力を育んでいくことです。その第一歩として、まずは、自分の行動を自分で決め、そして責任を自分で負うというマインドを育てること、これをとても大切にしているのです。
開智日本橋学園では、学校行事、生徒会活動、部活動、その他様々な学内での活動が生徒自身によって、主体的に企画・立案・計画され、運営されています。教員は生徒たちの動きをよく見て適宜助言を与えますが、活動の主体はあくまでも生徒という形を貫いています。教員がお膳立てをして生徒はそのレールに沿って歩くだけでは、得られるものはごくわずかです。生徒自ら考えて創り出していった活動は、成功した時のリターンが限りなく大きくなるし、たとえ失敗してもその失敗に対して適切なアドバイスをすれば、それは必ず生徒たちの糧になると私たちは考えています。
開智日本橋学園では授業においても、生徒が教員に一方的に教わる受け身の学びでなく、「生徒自らが活動する探究型の学び」に主眼を置いています。教員のガイダンスのもと基礎知識や考え方を自ら学びます。探究型の授業・プロジェクト・フィールドワーク・哲学対話の授業等では、基礎知識を生かして自らの興味関心と関連させながら「主体的に学び」「ディスカッションなどで知性を高め合い」「プレゼンや論文等で自らの考えを発信」していきます。
また、今日の社会では必須といえる英語力育成に関しても、7カ国からの外国籍の教員や海外経験の長いバイリンガル教員を全教員の約30%配置して「使える英語教育」を実践しています。英語以外の科目の授業やホームルームも英語で行い、職員室や廊下で普通に英語で会話が行われる環境です。座学に終始せず、大学や社会に出た際に国内外で「英語を使って」活躍できる人材を養成する、インターナショナルスクールに近いシステムがあることも本校の大きな特徴です。
こうした「生徒主体」「探究型」の教育を高いレベルで実践するために、本校は国際バカロレア(IB)を取り入れた教育を行っており、MYPおよびDPの認定校となっています。IBのMYPの教育プログラムは1〜4年次においてLC、DLC、GLCの全てのコースで実践されています。IB教育の特徴は、単なる知識の修得でなく、自ら進んで考え探究し表現しながら学んでいくものです。IBの学びは、世界の教育学者や実践者の叡智を結集して構成した最先端の教育カリキュラムです。グローバルな視点を念頭に置きつつ、多様なものの見方や考え方を学びます。さらに、学際的な学びも重視することで、生徒が実社会との結びつきも意識して学ぶことができ、学ぶことの意義を感じやすいカリキュラムとなっています。この教育の考え方は、まさに本校の目指す探究型の学びに他なりません。
本校の教育にIBのプログラムを取り入れることで、本校の指導理念である「生徒が自ら学ぶ探究型の学び」の効果が飛躍的に高められています。国際標準のプログラムであるIBは、海外の大学への進学の可能性を広げるものではありますが、探究ベースの深い学びを実践するという点では国内の大学への進学のみを考えている生徒たちにとっても大変効果のあるものといえます。単にテストのため、受験のための勉強でなく、一生使える本物の学力、そして一生学び続けるという強い意志を育んでいく―――これがIBを取り入れた開智日本橋学園の教育です。
開智日本橋学園では、「夢」ということばをとても大切にしています。私は毎年、入学式において新入生一人一人が行う「夢宣言」を聞くことを楽しみにしています。新入生がどのような夢を持っているのか、開智日本橋でどのようなことをしてみたいのか、一人一人の言葉を胸に刻んでいます。夢に向かって挑戦し、突き進む。自分で考え、判断し、主体的に行動する。開智日本橋学園で大切にしているこうした姿勢を貫き通し、成長していけば、夢はいつか実現するはずです。生徒・教員が一緒になって一人一人の夢の実現をサポートしあう「学びの共同体」、開智日本橋学園で皆様をお待ちしてます。